一般的な会社員とは異なる働き方をする個人事業主は、収入面や契約上などの問題から、賃貸物件を借りるのが難しくなりやすい一面があります。
今回は個人事業主で賃貸を借りたいと考える際に知っておきたい基礎知識をご紹介していきます。
個人事業主が賃貸を借りづらい理由
1. 収入が不安定
個人事業主は収入が実績に左右され、毎月安定した家賃支払いが保証されないと不安視されやすいです。特に独立間もない場合、収益性が確立していないと判断され、審査に通りづらい傾向があります。
2. セキュリティへの懸念
事業用として利用する場合、不特定多数の来客が予想され、防犯面のリスクが指摘されることがあります。来客が多い業態なら、防犯性の高い物件を選ぶ必要があります。
3. 大家の税負担増加
居住用物件の特例措置が事業用利用では適用されなくなり、大家の税負担が増えることから、事業用契約を避けるケースがあります。
4. 建築基準法の問題
居住用に建てられた物件を事業用で利用すると、建築基準法に違反する可能性があります。そのため、一部の物件では事業用契約が認められません。
5. 書類準備が複雑
個人事業契約では確定申告書や事業内容説明書などの提出が必要で、準備が煩雑です。この手間も借りにくい要因となっています。
個人事業主が入居審査で見られる項目
1. 本人確認書類
契約者が正式な身元であるか確認するため、運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなどの顔写真付き身分証明書の提示が求められます。
2. 収入証明書
家賃支払い能力を証明するため、確定申告書、納税証明書、課税証明書、所得証明書、取引先の支払調書などが必要です。個人事業契約の場合、事業計画書や収支計画書の提出を求められることもあります。
3. 住民票・印鑑証明書
なりすまし防止や正式な契約証明のため、住民票や印鑑証明書が追加で必要な場合があります。
4. 保証会社の審査
家賃滞納防止のため保証会社が介入するケースが多く、収入証明書の確認を含む厳密な審査が行われます。
5. 緊急連絡先の通知
災害時やトラブル対応に備え、親族(通常は両親や成人の家族など)を緊急連絡先として提示することが一般的です。
個人事業主が賃貸を借りる際のポイント
1. 家賃を収入の20~25%に抑える
家賃が高いほど審査は厳しくなるため、収入の20~25%を目安に予算を設定しましょう。希望物件の家賃が収入に見合っているか確認することが重要です。
2. 不動産会社や大家さんに相談する
収入面に不安がある場合は、事前に事情を不動産会社や大家さんに説明しておくと、理解を得られる場合があります。特に収益計画を具体的に伝えると信頼を得やすくなります。
3. 貯金額を提示する
収入が安定していなくても、十分な貯金があれば「預貯金審査」で契約を進められる場合があります。家賃をカバーできる貯金額を提示しましょう。
4. 連帯保証人を立てる
収入に不安がある場合は、信用性の高い連帯保証人を付けることで、審査が通りやすくなります。両親や親族など信頼できる人に相談してみましょう。
5. 登記可物件を探す
将来の法人化を視野に入れている場合、登記が可能な物件を選ぶと良いでしょう。事業を前提とした物件なら、契約がスムーズになる可能性が高いです。
個人事業主が賃貸契約を結ぶ際には、通常の部屋を借りるよりも手続きが複雑になりますが、適切な準備をしておけば十分に契約可能です。特に、入居審査に通過するためには、家賃の支払い能力や収入証明が重要となります。これらをしっかりと準備しておくことで、契約もスムーズに進むでしょう。
もし事務所としての賃貸契約が難しい場合、レンタルオフィスやコワーキングスペースなどの事業向けサービスを利用する方法も検討できます。これらのサービスを活用することで、より柔軟に事業活動を行える場合も多いです。