「オートロック付きなら安全!」「いや、実は意味がないらしい…」
物件を探していると、そんな意見を耳にすることがあるはず。
確かに、オートロックは人気の防犯設備のひとつですが、実際には“弱点”が存在します。
一方で、適切な設備と組み合わせれば、防犯性が高まるのも事実です。
この記事では、オートロック付き物件のメリットと注意点、そして防犯性の高い物件を見きわめるポイントまで解説します。
住まい選びの参考にぜひどうぞ。
オートロックだけでは防ぎきれない侵入パターン
▶ 入居者と一緒に入る「共連れ」
エントランスで後ろにつき、そのまま通過してしまうパターン。
気づかぬうちに不審者が建物内部に入ってしまう可能性があります。
▶ すれ違いで入り込む「入れ違い」
ドアが閉まる瞬間を狙うケース。
退去する住民とタイミングを合わせると容易に侵入できてしまいます。
▶ 業者を装うケース
宅配便や点検業者を名乗り、訪問者に開錠してもらう手口も報告されています。
どれも、オートロックの構造そのものを突破しているわけではありません。
人の心理につけこむのがポイントです。
エントランス以外の侵入経路が残っていることも
オートロック物件でも、
・柵を乗り越えられる構造
・裏口が施錠されていない
・バルコニー側の窓が狙われる
といった“抜け道”があることがあります。
特に家賃が低い物件は、防犯対策が最低限の可能性も。
建物の全体的な構造もチェックしましょう。
暗証番号式は内部から情報が漏れるリスクも
オートロックのタイプが暗証番号の場合、
・番号のぞき見
・指紋跡による推測
・入居者同士の情報共有漏れ
といった原因で、第三者が侵入できてしまう可能性があります。
共通番号の場合は特に注意。
センサー誤作動による解除も
自動ドアの内側に薄い紙類を差し込んだり、センサーを刺激することで開いてしまうケースもあります。
一般人でも再現できるレベルであるため、ネット上で“意味ない”と語られやすくなりました。
迷ったら不動産会社に相談を
ネットだけで判断すると、見落とすポイントも多め。
不動産会社なら、
・周辺治安
・建物構造
・過去のトラブル
といった情報も踏まえて提案してくれます。
物件数が多いポータルサイトや、アプリも併用すると便利です。
オートロックのある物件が選ばれる理由
● 犯罪の標的にされにくい
エントランスと玄関の二重ロックとなり、侵入に手間がかかります。
東京都の防犯ガイドラインでも、オートロックは対策として推奨されています。
● 勧誘を断りやすい
インターホン越しに訪問意図を確認でき、不要なセールスを避けられます。
● 精神的な安心感につながる
「知らない人が建物に入れない」という心理的な安心は大きなメリットです。
オートロック以外で“防犯性が高い”物件の特徴
✔ 防犯カメラが複数設置されている
犯罪者は“録画される”状況を非常に嫌います。
✔ ディンプルキー採用
ピッキング対策として有効。
解錠まで時間がかかるほど犯罪抑止効果が高くなります。
✔ 防犯サムターン
特殊工具を使った侵入手口「サムターン回し」を防止できます。
✔ 録画付きインターホン
証拠が残るため、押し売りや不審者が寄り付きにくくなります。
✔ 高層階は狙われにくい
ベランダから侵入しづらく、人目も届きにくいのが理由。
ただし、最上階は屋上経由で狙われることもあるため“高層=絶対安全”とは限りません。
✔ 治安の良いエリア
夜道が明るい、ファミリー層が多い、繁華街から距離がある等。
✔ 交番が近い
トラブル時に駆け付けが早く、犯罪者の警戒心も高まります。
住む人ができるセルフ防犯
オートロックの有無に関わらず、住民自身も対策が必要です。
・洗濯物に性別がわかるアイテムを出さない
・窓に防犯フィルムを貼る
・不審な来客には出ない
・個人情報を書いた紙は細断して捨てる
・玄関に表札を出さない
これらは簡単にできるうえに、効果が大きい防犯方法です。
オートロックは、確かに一定の防犯効果を持つ優れた設備です。
ただし、それ一つで安心しきるのは危険。
建物全体の設備 × 住む人の防犯意識
この組み合わせが、安心できる暮らしをつくります。
物件選びの際は、ぜひ複数のポイントを複合的にチェックしてみてください。