賃貸物件を借りる際、「契約更新料」または「更新事務手数料」という名目で、2年ごとなどの契約更新時に費用が発生するケースをよく目にします。
「また家賃払うのにさらに更新料が必要なの?」「支払わなくても大丈夫なの?」と疑問を持つ方も多く、実際にトラブルとなることも少なくありません。
本記事では、更新料の仕組み・支払い義務の有無・契約時点で確認すべき事項を整理してご紹介します。賃貸契約を結ぶ方、更新を迎える方、ぜひ参考にしてください。
更新料とは何か?その役割と実態
更新料(更新事務手数料)は、賃貸契約を更新(再契約または継続)する際、賃貸借契約者(借主)または貸主・管理会社が支払う費用です。
主な役割としては以下のようなものがあります:
・契約書類の作成・手続きに伴う事務コスト
・建物の維持・管理費用の一部を契約更新時に振り分ける考え
・更新時の賃料改定・条件変更に伴うリスクを補填
このような実務的な目的がある一方で、借主からは「なぜ毎回払わなければならないのか」「金額が妥当なのか」という疑問も根強くあります。
更新料の支払いは義務なのか?チェックすべきポイント
✔ 契約書に「更新料を支払う」という条項があるか
更新料を請求できるかどうかは、当該賃貸借契約書または重要事項説明書に明記されているかどうかが大きな鍵となります。条項がしっかり記載され、賃借人が合意しているなら義務として認められるケースがあります。
✔ 金額が過大ではないか
法律上、更新料の条項があっても、その内容が「著しく借主の負担となる」ものであれば消費者契約法などにより無効とされる可能性があります。日本の最高裁判例でも「契約更新料相当額が合理的か」を検討しています。
✔ 契約の継続が自動更新かどうか
「契約が自動更新される」という仕組みの場合、更新料が請求できるかどうか、条項でどのように定められているかが重要です。自動更新の扱いも含めて確認を。
契約更新料を抑える・交渉するためのヒント
・契約時に「更新料なし」または「更新料割引」の物件を探す。
・契約更新のタイミングで、管理会社・貸主に値下げ交渉を行う。
・更新料の条項が契約書に明記されているかを必ず確認し、納得できない場合は別の物件も検討する。
・契約更新日が近づいたら、更新通知がいつ来るか・条件が変わるかを確認する。
契約時・更新時に必ずチェックしたい10の項目
・更新料の金額・支払い時期
・更新料が毎回必要かどうか(例:2年ごと・毎年)
・契約更新で賃料改定があるかどうか
・自動更新条項の有無
・更新料免除条件(長期入居・管理会社指定の条件など)
・その他の更新時費用(鍵交換費、管理費改定など)
・初期契約時の説明が適切に行われたか
・更新料条項が賃貸借契約書や重要事項説明書に記載されているか
・条項の文言に不明点がないか(どの時点で更新料が発生するか等)
・更新料支払いを回避するための選択肢(退去・別プラン契約など)
賃貸契約における更新料は、「制度として存在する」「必ず支払わなければいけない」というわけではなく、契約書の明記・金額の適正性・更新条件の有無などにより左右されます。
契約を結ぶ前、更新を迎える前にしっかり確認することが、無駄な費用を防ぎ安心できる暮らしにつながります。
物件探しの際には、更新料の条件も含めて検討してみてください。