借金の返済が苦しくなった時、税金などの一部の支払いを除いて支払い義務が免除されるのが自己破産です。自己破産をしても、現在の住まいをすぐに退去しなければならないわけではありません。ただし、家賃の支払いが困難になる場合は、引越しを検討する必要が出てくるでしょう。
今回は自己破産後の賃貸契約のポイントや注意点について詳しく解説します。
自己破産したら今住んでいる賃貸の家はどうなる?
自己破産をしても、基本的に賃貸物件から即座に退去させられることはありません。ただし、以下のような状況では退去を求められる可能性があります。
家賃を滞納した場合
自己破産によって家賃の支払いが困難になり、滞納が続くと契約解除の理由になります。特に、3カ月以上の滞納が続くと、退去を求められるケースが多いです。なお、破産手続き後に発生した家賃は免除の対象外となるため、支払いには十分な注意が必要です。
収入が家賃に見合わない場合
家賃を滞納していなくても、収入に対して家賃が高すぎると、破産管財人の判断で契約解除となることがあります。一般的に、家賃は手取り収入の3分の1以内が適正とされ、生活の立て直しが難しい場合は、引越しを検討する必要があります。
自己破産すると起こるリスク
自己破産後の信用情報への影響
自己破産をすると、信用情報機関に事故情報として登録され、一定期間は信用取引に制限がかかります。以下に、自己破産後の影響について詳しく解説します。
1. 5年~10年事故情報が残る
自己破産の記録は、信用情報機関に最低5年間、長い場合は7~10年間残ります。延滞情報などは5年程度で消えますが、自己破産の情報は官報に掲載されるため、より長期間記録が残ることがあります。
2. 開示請求で確認可能
信用情報がいつまで登録されているかは、各信用情報機関に開示請求することで確認できます。手数料は1,000円前後で、開示請求方法や金額は機関ごとに異なるため、事前に確認が必要です。
3. クレジットカードが作れない
事故情報が記録されている間は、クレジットカードの新規発行は困難です。自己破産手続きにより、既存のクレジットカードも強制解約となるため、支払い方法の見直しが必要になります。特に、賃貸物件の家賃支払いがクレジットカード必須のケースでは、入居が難しくなる可能性があります。
4. 信販系の保証会社の審査が通りにくい
賃貸契約では、保証会社の審査を受けることが一般的ですが、自己破産歴があると信販系保証会社(クレジットカード会社系)の審査に通りにくくなります。代替として、協会系や独立系の保証会社を利用できる物件を選ぶと良いでしょう。
5. 住宅ローンを組めない
自己破産後は、金融機関の審査に通らないため、住宅ローンを組むことができません。信用情報から事故情報が抹消されるまでは、新たなローンを組むのは難しいでしょう。ただし、事故情報が削除されれば、再び審査に通る可能性が出てきます。
自己破産後でも入居審査に通りやすくなる方法
1. 独立系の保証会社を利用する
独立系の保証会社は、審査基準が決まっておらず、収入や勤務先情報をもとに審査を行います。そのため、自己破産をしていても、会社ごとの審査基準をクリアしていれば、審査に通りやすくなる可能性があります。保証会社は数百社存在し、その中で15社程度がよく利用されます。希望の保証会社があれば、不動産会社に相談してみましょう。
2. 保証会社不要の物件を選ぶ
保証会社の利用が不要な物件もあります。この場合、連帯保証人をつけることが基本です。親族に頼むことが一般的で、大家さんにとっては「家賃を継続的に支払えるかどうか」が重要な判断基準となります。保証会社不要の物件を探すことで、審査が通りやすくなることもあります。
3. 公営住宅を選ぶ
公営住宅は、主に低所得者向けの公的賃貸住宅です。家賃は入居者の家賃負担能力に応じて決まるため、近隣の賃貸物件より安く住めるメリットがあります。特に、居住の安定が必要と判断された場合は優先されることもあります。ただし、一定の収入超過者となった場合、市場家賃が適用されたり、物件の明け渡しを求められたりする可能性があるので注意が必要です。
4. UR住宅を選ぶ
UR賃貸住宅は「UR都市機構」が管理・運営する公的賃貸住宅で、ほとんどの物件は先着順で入居できます。UR住宅の特徴は、初期費用が安く、更新料が不要、保証会社や保証人が不要な点です。物件の空きは少ないですが、手続きがスムーズでお得に住めるため、検討する価値があります。
5. 親族や同居人に契約をしてもらう
親族や家族に契約者となってもらう方法もあります。信用情報は個人単位で記録されるため、家族の名義で契約をすることは問題ありません。同居しない親族が代理契約をすることも可能ですが、物件によっては代理契約が不可のケースもあるため、事前に確認しておくことが重要です。
6. 不動産会社に相談する
不動産会社に相談することで、審査に通りやすい物件を紹介してもらったり、大家さんと交渉してもらったりすることができます。自己破産後の状況を正直に伝えることで、適切な物件を見つけやすくなります。プロのアドバイスを受けることで、スムーズに賃貸契約を進めることができるでしょう。
自己破産後も居住中の賃貸物件に住み続けられるほか、新たに賃貸物件を見つけることも可能です。退去を求められたり審査に通らなかったりと、行動にうつした時のトラブルを防ぐためにも、家賃の支払い能力をつけて信頼回復に努めましょう。