新生活の第一歩、ワクワクする物件探し。でもその後に控えている「賃貸契約書」、なんとなく流していませんか?
実は、退去時の敷金トラブルや予想外の出費の多くが、契約書をしっかり確認していなかったことに起因しています。
この記事では、賃貸契約でありがちな落とし穴と、その回避方法をわかりやすく解説します。
1. 敷金・礼金・更新料…意外な費用が潜んでいる!
敷金=全額返金されるとは限らない
「敷金2ヶ月」と安心していても、契約書に「償却1ヶ月」とあれば、その分は返ってきません。最近では「クリーニング費込み」「ペット飼育時追加」などの特約も増えています。必ず「敷金償却」「敷引き」などのキーワードをチェックしましょう。
礼金ゼロ物件に潜む“新たな手数料”
礼金がかからない代わりに、「システム利用料」「事務手数料」などの名目で実質的な初期費用がかかるケースも増えています。費用の内訳は必ず確認しましょう。
更新料は交渉できる?
エリアによっては更新料が不要なことも。東京では家賃1ヶ月分が一般的ですが、大阪や名古屋では無料のケースも。実は、更新料は法律で決まっているわけではないので、交渉も可能です。
2. 原状回復の誤解がトラブルのもと
自然な劣化は借主の責任じゃない
日焼けによる壁紙の変色や、家具による床のへこみなど、「普通に生活していて起きること」は本来貸主負担です。これは国土交通省のガイドラインでも明記されています。
特約にご用心
契約書に「通常損耗も借主が負担」と書かれていても、それが法的に有効とは限りません。特約が有効と認められるためには、内容が明確で、借主の同意があったことが必要です。
3. 解約・違約金にも注意を
短期解約にはペナルティがあるかも
「1年未満の解約で違約金が発生」などの記載があることも。転勤や介護などやむを得ない理由があれば、免除される可能性もあります。
解約通知のタイミングも大切
「解約は2ヶ月前までに通知」などの条項があると、忘れていた場合は家賃を無駄に払うことに。通知の方法や日割り計算の有無など、細かなルールも見逃さないようにしましょう。
4. 特約・禁止事項も読み飛ばさない
ペットOKでも、条件つきかも
「小型犬1匹まで」「退去時に消臭作業必須」など、ペットに関するルールは物件によって大きく異なります。契約書にすべて目を通しましょう。
楽器可物件=24時間演奏OKではない
演奏時間帯や音量に関するルールが決まっていることがほとんどです。違反するとトラブルに発展する可能性も。
修繕は誰の責任?
設備のトラブルは原則として貸主の責任ですが、自分の過失や小修繕(パッキン交換、電球交換など)は借主負担になるケースもあります。緊急修繕時の連絡先も事前に確認しておきましょう。
5. 実は交渉できる!賃貸契約の「条件交渉術」
以下のような条件は、交渉次第で改善できる可能性があります。
フリーレント1ヶ月
更新料の減額
礼金のカット
家賃の値下げ
初期費用の分割払い
交渉に有利な時期は、不動産の閑散期(11〜12月)や、長期間空室になっている物件を狙うのがおすすめです。周辺の家賃相場や他の物件の条件を引き合いに出して、大家さんにもメリットのある提案をしてみましょう。
賃貸契約で後悔しないためには、以下の5つを意識しましょう。
契約書は全文しっかり読む(特に特約)
わからない言葉は調べる or 不動産会社に確認
口約束ではなく、書面に残す
相場感をもって交渉に臨む
不安があれば第三者機関に相談する
たった1枚の契約書ですが、読み方を知っていれば、数十万円のトラブルを未然に防ぐことができます。「難しそう」と思わず、この記事を参考に自信をもって契約に臨んでくださいね。